くろふねが ひらいたはまの そらたかく たいりんのはな なつの号砲
モクモクとポーが重なる喧騒は いまやむかしの 新橋停車場
歌舞伎座の 人混みのなかに 身を隠す まるで観てきたかのように
お疲れの 心を癒す 金の麦酒 炭火で煙る ガード下に
海渡り 遠き国へと荷を運ぶ 船は行く行く 波を乗り越え
青空に 首をもたげる群れ姿 ここにはキリンが よく似合うかな
しろじにあかい ひのまるをみて 家路をいそぐ 鐵路ごとごと
しんりょくの かさがまもるるめがね橋 あかゆのまちを きょうも眺める
かのなつのあつさをしかとおぼえてる こなつのそらに ふたばひらけり
